2023.04.14コラム
コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」について

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像01

皆様、こんにちは。
院長の三宅です。

この度、当院ホームページ内のコラムとして
私共の施術に関わる事柄について解説してみようと思います。

まず、第1回目は、

「腰のヘルニアと言われたんですけど・・・」

についてです。

「お医者様でヘルニアと言われたんですけど、痛み止めだけの治療なんですが、おおい接骨院でできることはありますか?」
このような質問、お尋ねは多く頂いています。
結論から言うと「できる施術があります!」です。

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像02

そもそも腰椎椎間板ヘルニアとは、腰部の椎骨間に存在する椎間板という軟骨の構造上の形態変化によって引き起こされる疾患とされます。
形態変化とは、上下の椎骨が様々な力により圧迫されることで椎間板の形状が変わり椎間板の輪郭が膨隆したり、椎間板内部の髄核という硬い芯のような組織が椎間板外へ脱出してしまう状態を指します。
この椎間板の膨隆や髄核の脱出により、椎骨後方に存在する脊髄馬尾神経やその枝分かれである神経根を圧迫することにより痛みやしびれが起こる、というのがこの疾患の一般的な説明になります。

この説明からすると、痛みやしびれの原因は椎間板の形態変化によって腰の奥の方で飛び出た軟骨が神経を圧迫しているから痛い、しびれる、になりますね。


この現象(軟骨が出っ張り神経を圧迫する)について我々柔道整復師は施術ができません。(業務範囲外)
この現象(軟骨が出っ張り神経を圧迫する)に対する治療がご希望の場合、診断を受けた医療機関でしっかりと治療を受けてください。
この現象(軟骨が出っ張り神経を圧迫する)を改善させる施術は当院では行いません。

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像03

しかし「ヘルニアと言われたんですけど」という患者様であっても「もう痛くなくなりました!」と多くの患者様に体感して頂いています。

それはなぜか、というと、
ヘルニアの診断を受けた方々の症状に、筋筋膜性疼痛(筋膜痛)が含まれているからです。
さらに、ヘルニアの診断を受けた痛みの始まりを詳しく伺っていると、
・痛みが始まる前に、お尻、太もも、背中、腰あたりがけいれんが起こるようにつった!
・始めは片方の股関節の動きが悪くなった!
・ささいな動作から痛みが始まり、徐々に動けなくなった!
など、痛みの始まりは筋肉の不具合による動作の制限、部分的なけいれん、ささいな動作に伴う痛み、から始まることが多いんですね。

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像04

筋膜痛は、筋肉の不具合によって起こる微細な筋損傷のです。
筋腱等軟部組織損傷に対する施術は柔道整復師の業務範囲(得意分野)です。
いわゆる「ぎっくり腰」は多くの場合が筋膜痛ですが、どこに痛みができるかで患者様が感じる症状が変わってくるんです。
腰、お尻、太もも、ふくらはぎ・・・。
ヘルニアと診断を受けた方の症状は、腰周辺も痛いのですが、股関節(臀部)、太もも、ふくらはぎが痛い事が多いです。
通常の腰痛とは違う場所に筋膜痛ができているんですね。
痛みの程度も様々です。筋膜痛は、時間経過とともにどんどん動けなくなっていく場合があります。
たとえばお尻の外側が痛いと、内もも(内転筋)がつってくる、とか。
腰のあたり(起立筋)が痛いと、お腹(腹筋まわり)や股関節前側(腸腰筋)がつってくる、とか。

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像05

それら筋肉の張りやけいれん、また皮膚表面の過敏な痛みを一つずつ丁寧に探し無くすことで関節の可動域、筋力、痛み、触った感覚などの問題症状が改善してゆきます。
ただし、全てが筋膜痛の痛みではありません。不安な場合は必ず始めに診断を受けた医療機関にご相談ください。

腰椎椎間板ヘルニアの確定診断を得るためには、医療機関で少なくともMRIやCTスキャンなど、単純X線検査以上の検査を受ける必要がありますが、もしも「あなたはヘルニアですね」との診断が下されたら、一度は「この痛みには筋膜痛が含まれているかもしれない」と思ってみてください。
またものすごく痛い場合「手術をしてもらおうか・・・」と思う場合も「もしも筋膜痛が含まれていて、それが減ったらどの程度の痛みになるだろうか」と思ってみてください。
腰椎椎間板ヘルニアと診断された場合でも、筋膜痛が含まれている頻度は少なくありません。

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像06


結論を整理すると、
・ヘルニアと言われた場合でも、当院ではヘルニア(軟骨が出っぱり神経を圧迫する病態)に対する施術は一切行いません。
・ヘルニアなど構造的異常を示す疾患として診断を受けた方に対して、当院ではその症状に筋筋膜性疼痛が含まれていないかを観察し、筋膜痛の特徴的な痛みがあればそれをなくすための施術を行います。
・筋膜痛に対する施術で改善した(消失した)症状は、ヘルニアに起因するものでは無く、筋膜痛だったという裏返しになります。
・ヘルニアに対する施術は全く行いませんが、筋膜痛に対する施術により、痛みやしびれが改善することが多くあります。

筋筋膜性疼痛の治療が有効であるという根拠にしています。
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/

筋膜痛治療の第一人者、石川県小松市、加茂整形外科医院をされている加茂 淳先生のホームページです。URLの掲載は加茂先生に直接ご了解を頂いています。是非参考にしてみてください。

お困りの際は、お気軽にご相談ください。
なお、医療機関でヘルニア等の診断を受けられている場合の施術に関しては、原則自費診療とさせて頂きます。
施術料金に関してもお気軽にご相談ください。

コラム1 「ヘルニアと言われたんですけど・・・」についての投稿画像07