施術について

当院では、筋筋膜性疼痛に対して、マイクロカレント療法を積極的に行っています。この治療は、痛みの発信源である活性化したトリガーポイントや、筋の張りの原因となっている筋肉を特定し、そこへ電気の流れをほとんど感じない位の微弱な電流(25μA~500μA)を直接通電するという方法で行います。そして通電をすることで、筋細胞自身を活性化させ、筋肉の血流改善、筋弛緩などを得るとともに、皮膚表面の過敏な痛みを抑え、症状を改善させる事(トリガーポイントの不活性化)を目的にしています。

施術を行うにあたって

筋筋膜性疼痛に対する施術は、患者様が痛いと感じるところ以外の部分を対象とする場合が多くあります。
例えば、「膝関節が痛い」場合、太ももの前側から内ももにかけて・・・とか、です。施術の対象とするエリアは、関連痛パターンの図表をもとに施術前に必ず説明をしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

つぎの方に対する施術は原則的にできませんので予めご了承下さい。

  • 血圧が著しく高い方
  • 心臓ペースメーカを装着されている方
  • 感染症に罹患している方
  • 妊娠されている方
  • その他、罹患疾患により、医師から物理療法(電気,温熱,光線療法)を止められている方

マイクロカレント療法は、施術エリアの皮膚表面に直接通電する必要があります。従って、必要に応じて衣服をお脱ぎ頂いて施術をさせて頂きます。場合によっては2回目の施術から、短パン、タンクトップなどの衣類を持参頂くようにお願いすることがあります。院内にも施術用の施術衣があり、必要に応じて着替えをお願いしています。また、女性の方は(ご希望をお伺い致します)なるべく女性スタッフが施術致しますので、安心して施術を受けて頂けますが、更衣についてのご理解ご協力をお願い致します。

筋筋膜性疼痛をどうやって見分けるの?

病院などの医療機関で筋筋膜性疼痛を引き起こすトリガーポイントの存在については、医療機関で行われている単純X線検査、MRI、CTスキャンなどの画像診断、病理検査、血液検査などの各検査方法において「ここにトリガーポイントがあります」というような客観的な異常として捉えることはできません。

ですから、診察にあたっては、痛みが出たきっかけ、痛みの場所と関連痛パターンの相関、関節の動きやそれに伴う痛み、筋肉の硬さや押さえた痛み、皮膚表面の過敏な痛み、筋肉の力の入り具合など、問診、視診、触診から得られる情報を総合的に判断します。(だから接骨院でも探すことができます。)
その情報を基に、見込み治療(おそらくここが悪いところだろう、と見込んで行う治療)を行い、その結果、症状の軽減・消失が得られた場合、はじめて「ここが痛みの発信源だった」ということが証明されます。

すべての痛みが筋筋膜性疼痛ではありません。

他疾患との鑑別はとても重要で、細心の注意を払っています。ご存じの通り、接骨院では、病院などで行われている精密検査、専門的検査は行えませんので、つぎの様な場合には、ご希望の医療機関、もしくは近隣の検査設備の整った医療機関へご紹介させていただいています。

従って、そういった検査が必要であると判断した場合、また患者様自身が検査を希望された場合には、ご希望の医療機関、もしくは近隣の検査設備の整った医療機関へご紹介させていただいています。

筋筋膜性疼痛にみられる特徴的所見が見あたらない場合

急性期の骨折・脱臼・重度の軟部組織損傷が疑える場合

細菌感染など、強い炎症症状が疑える場合

内科的疾患による痛み(悪性新生物、腫瘍を含む)が疑える場合

手や足に起こる知覚・運動麻痺が確認できる場合、膀胱や直腸の機能が冒される様な麻痺(馬尾神経麻痺)が疑える場合

マイクロカレント療法

微弱電流を発生させる機器を使って、急性の外傷や炎症などを抑えて、組織の修復能力を高めます。
除痛効果も高いため初期の手当てとして有効な療法となっており、皮膚表面にある筋膜痛の痛みも抑えやすいと言われています。

使用する治療器の特徴

Achrotone(アクロトーン:Vectronics社製)

当院には、1人用(AT-1000)と2人用(AT-2000S)がありますが、性能はどちらも同じです。通電方法は、電導ゲルを介しY字型プローブで局所を撫でるように通電する手法と吸盤電極により通電する方法があります。
この治療器は、主に活発に痛みを出しているトリガーポイントを不活性化させるために用います。点として存在するトリガーポイントをはじめは面で捉え、余分な痛みを取り除きながら、徐々に範囲を絞り込んで最も痛みが強いところを探し出す、という使い方をします。また、比較的大きな筋肉を全体的に弛緩させる(力を抜かせる)のにも有効です。