よくある痛み
腓骨筋群の関連痛
スポーツ活動中、明らかに足首を内側に挫いて外くるぶし周辺に痛みが発生した場合は捻挫としての認識がし易いものですが、明らかでない場合でも外くるぶし周辺に痛みが発生することがあります。その場合、この腓骨筋群の筋膜痛である可能性があります場合があります。通常の捻挫(足関節外側靱帯損傷)に伴うこともあり、受傷後、キャスト固定をするものの、何週間も何ヶ月も外くるぶしが痛む場合、この痛みである可能性があります。
ヒラメ筋の関連痛
スポーツをする子供達に多い痛みです。痛みの出現場所は、踵、アキレス腱部ですが、痛み自体はヒラメ筋とアキレス腱移行部あたりにあります。スポーツ障害の中に踵骨骨端症(セーバー病、シーバー病)というのありますが、この初期症状の殆どがヒラメ筋の筋膜痛です。踵やアキレス腱の痛みはヒラメ筋と共に腓腹筋の筋膜痛を伴う場合もあるので、当院ではふくらはぎ全体をチェックします。
斜角筋の関連痛
上肢の痛みを訴えられる患者様の中には、頚部から胸部、背部、上肢全体に痛みが及ぶ場合があります。このような場合、頚椎症性神経根症状と診断されることがありますが、この図は斜角筋の関連痛を示しています。場所は頚部の後頸三角部にあり、注射、鍼灸針などでのアプローチが難しい部分ですが、微弱電流であれば皮膚表面の痛みに対して安全に施術することができます。
棘上筋の関連痛
棘下筋同様、幅広い年層(スポーツ選手から中高年者まで)の患者様に見られる痛みです。特徴としては肩の運動時に肘関節外側部の痛みが伴う点です。テニス肘と診断される肘関節痛に伴っていることも多いです。肩関節痛が単独で痛い場合はもちろん、肘関節外側が単独で痛い場合もチェックしておきたい痛みです。
棘下筋の関連痛
肩関節周辺の痛みで最も多い痛みの一つです。この痛みは少年野球選手に見られる投球肩あるいは中高年に見られるいわゆる四十肩、五十肩などにも見られます。患者様は肩関節前側痛を訴えられますが、痛いのは後ろの棘下筋の部分。ペケの所には赤い印がないのでそこが痛いという認識は無いことが多いです。患者様は「そんなところが痛かったのか」と驚かれる事が多いです。
小殿筋の関連痛
この筋肉の関連痛パターンは下肢全体に及び、おしりから太ももの外側、ふくらはぎの外側に至ります。ぎっくり腰の後によく見られる痛みです。
くれぐれも坐骨神経痛ではありません。筋肉内の×印に存在するトリガーポイントを不活性化させることで、赤いエリアの痛みが軽減、消失します。
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)の関連痛
腸腰筋は、股関節前面にあり、股関節を屈曲する筋肉です。ここが痛むと、同側の大腿前面、同側の腰部に痛みを飛ばします。「椅子に座ると腰痛が強くなる」なんて言う方は、この筋肉の痛みかもしれません。患者さんご自身は鼠径部の痛みは全く認識されていないことが多く、結構多いんですよ、この痛み。
大腿直筋の関連痛
患者さんは、膝蓋骨(膝のお皿)周辺の痛みを訴えられます。一見、膝蓋大腿関節あるいは膝蓋靭帯の痛みのように思えますが、この痛みの場合、股関節前面あたりにトリガーポイントがあります。主にスポーツを一生懸命やっている若い年齢層に多く見られスポーツ障害として扱われることが多い痛みです。中高年層にもよくある痛みです。